ゆりかご


夕暮れの空は赤く あの日の僕等は遠く

潰れた工場地帯を歩く

 

日曜日までは遠く すれ違う人は若く

油にまみれた作業着隠した

 

この胸の内を何と呼ぶ ツイていない ツイていない 疲れたみたい

 

駅のベンチ 缶コーヒー 見上げた空 何の為に

 

大人になった僕等が見る世界は 今も変わらず輝いてうつりますか?

もう一度幼き日に戻れるなら もっと違った人生を選びたい

 

 

「生きている事は奇跡」 心が震えた言葉

思い出して噛み締めてみたんだ

 

思い出したって事は 忘れていたって事か

どうでもいいけど少し眠いんだ

 

もういくつ寝ると給料日 もういくつ寝ても同じ日々

 

誰だって そうやって 頑張って いるんだって

 

大人になった僕等の住む世界では どんな事にも耐え抜く事が正しさです

強くなるって事は鈍くなると同じ 感じない 動じない そんな強さはいらない

 

悪い子はいないか 寂しい子はいないか 

切ないのは何故だ 苦しいなんて嘘だ 世迷い言だ 世迷い言だ

 

大人になった僕等の澱んだ心は 晴れてゆくかな 今でも間に合うだろうか?

もう二度と戻れない事 進むしかない事 生きている事 涙が止まらないよ

わかっている それでも ゆりかごに帰りたい