何も言わない


道の見張り 駒返る草よ じっとその身に起こる事を健気に耐えていたのなら

凍解から 感じる温もり 疑いも理由も捨てて 全てを愛せる

 

四月の風にそよぐ祈りは 心優しき者の調べ

 

麗しき春よ 涙の花 私が愛した 過去を連れて

今を 今を 舞う花びらの言づてから 終わりと始まり 永遠に繋ぐ

 

 

光と影 その隙間に居て どちらにも居場所はなくて 私は独りだ

 

四月の風に歌う懺悔は 心貧しき者の調べ

 

悲しき春よ 憂いの花 私が望んだ 夢を連れて

今を 今を 問う花びらの言づてから 覚めても冷めても 夢は続く

 

霧迷うままに 傷も癒えぬ間に 戸惑う私に 季節が答える

眩しい朝日に ゆっくり心の霜が解けて行く 

何者にもなれなくとも見窄らしくも 逞しく 

 

言葉綴れば また ひらひらと舞う想いは 今日咲き 明日散る 刹那の花

 

愛しき春よ 心に花 私が愛した 歌に乗せて

今を 今を 舞う花びらの言づてから 終わりと始まり 明日へ届け

 

満開の宴の色や 手を叩けや今を踊れや 涙に張り付いた 花を忘れない

何一つ残さぬ様に 美しくあれ 全て散るまで いつの日も 私は此処に